「なんでオレなんだ…?」車椅子になった高校生のリアル。漫画『リアル』
リアル
なんと漫画『リアル』が4年ぶりくらいに連載再開したということで、中学生以来のファンである私は正気を失いかけました笑。
↑まあ嘘ですけど笑
てなわけで今回は車椅子バスケを題材にしたこの漫画、
『リアル』をご紹介ー。
作者は『スラムダンク』で有名な井上雄彦先生。主人公は3人いるのですが今回はそのうちの一人、高橋久信という人物に特に焦点を当ててご紹介します。
リアルな3人の主人公たち
野宮朋美
喧嘩っ早い性格で高校退学になってしまった青年。とは言ったものの、イジメや卑怯なことを嫌うまっすぐな心の持ち主。顔が老けている。事故である女性を下半身不全にしてしまい、罪悪感に苛まれながら生きていくことに…。バスケが大好き。最初アフロだった。
戸川清春
車椅子バスケの弱小チーム「タイガース」のエース。顔が怖い。負けてヘラヘラしているチームメイトをぶん殴る熱い闘魂の持ち主。そのため争いごとが絶えず。子どもの頃に骨肉腫という病気を発症し、右足を失う。同じくバスケ好き。
高橋久信
野宮と同じ高校の同じバスケ部でキャプテン。文武両道の何でも屋だが、人を見下す、部活内でイジメを行うなど性格がひん曲がっている。なのに女にモテモテ、先生のお気に入りという嫌なやつ。バスケも独りよがりなプレイをしがち。野宮とは犬猿の仲。
高橋久信のリアル
メインの主人公は誰だと聞かれたら、戸川か野宮のどちらかと最初は答えるでしょう。車椅子バスケの漫画という触れ込みから言えば戸川かなといったところ。
高橋が初めて登場した時は主人公というよりモブキャラ、それも2人を邪魔するやーなヤツという印象で、
なぜ彼が表紙に載っているのか疑問でした。
しかし読み進めるとそれが分かります。
ある日いつものように調子ぶっこいてた高橋が自転車をパクると、持ち主のイカつい男が後ろから追いかけてきます。
焦った高橋が横断歩道に出たつぎの瞬間、
目の前に大型トラックが現れ…
結果彼は脊髄損傷、二度と歩けなくなってしまいます。
このとき私は
「あぁ、彼が主人公だ。」
と悟りました。
そうです。この物語の主人公は序盤から車椅子である戸川ではなく、
今ここで車椅子になった高橋なのです。
プライドの固まりである高橋はそんな自分を受け入れられず
「なんでオレなんだ…?」
と自問するばかり。
この漫画は年に一巻出るか出ないかの超スローペースで連載しているのですが、
高橋が立ち直ったのは七巻、つまり
7年間ずーっと彼のうなだれた状態が続いたことになります。
小学一年生に連載が始まったとしたら中学1年生までずっとこんな感じです。
高橋の過去
彼の性格が曲がった原因は両親の離婚にあります。
子どもの頃、高橋は父とバスケをするのが好きでした。いつかレッグスルー(バスケの技)を覚え、父に見せるのだと猛練習します。
高橋はもはやクラブチームで敵なしの実力者でした。ある日、ついにレッグスルーができるようになり、年長相手に得点を取った高橋少年。
父に見せようと大はしゃぎで家に帰ります。道中、本来この時間にはいないはずの父が車に乗っているのが見え、目が合います。喜んで手を振るも車はスルー。それ以来父が帰ってくることはありませんでした。
高橋少年の心は深く傷つき、様々な心の声が彼を責め始めます。
「お父さんがいない寂しさは我慢できる。」
「でも心に浮かんでくる自分の言葉には耐えられない。」
「あの時、目が合った父は車を止めなかった。」
「いつも一緒にやってたバスケも嫌々やってたのだとしたら?」
「お父さんが出て行ったのは自分のせいかも...」
「こんなことなら自分なんて...
いないほうがよかった...?」
「聞きたくない、こんな自分の声なんて...」
彼はこの時から自分を閉じ込めてしまいます。
高橋には人をランク付けする癖がありました。それは自分が価値のある人間だと思いたい気持ちの表れだったのかもしれません。
しかし彼の純粋な心は奥底に残っていて、バスケでの独りよがりのプレイはどこかで父が見ているのではないかという気持ちから来たものでした。
前へ進む
そんな彼も14巻からついに車いすバスケを始めます。彼の周りにはプロレスラーの人や、オタクの人、そして再開した父などいろんな人が囲みます。特に前の二人は同じく車いすで生活している仲間。様々な人達の影響で高橋は閉じ込めていた自分を解放し始め、バスケを再開しようと決心するのでした。
いや~彼が活躍する姿を見るのが楽しみです!
ちなみに以前はここから休載になっており、4年近く続きを読むことはできませんでした。
それがついに再開しただと…?
YEEEEEEEESSSSS!!!
終わりに
いかがでしたか?
リアルはすごく濃い漫画なので短くまとめるのになかなか苦労しました。
まだまだ伝えられてない魅力はたくさんありますが、この漫画に少しでも興味を持っていただけたらうれしいです!
そして
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(^_^)