【ドラマ化決定】心が壊れそうなあなたに気づいてくれる教師。漫画【ここは今から倫理です。】紹介&レビュー
どうも!
今回紹介するのは最近ドラマ化が決定したこちらの作品、
(出典:ここは今から倫理です。1巻)
ここは今から倫理です。
倫理の授業、私も高校の時ありましたね〜。
「哲学について考えるのかな」と、楽しみにしていたらルソーが提唱したホニャララとか、アリストテレスのなんちゃら論とか暗記ばかりでガッカリした記憶があります笑。
もっとみんなでディスカッションしたり、色んな価値観を共有したかったな〜。
もし同じように思っていた方がいるのなら、ぜひこの漫画を読んで見てください。
それは倫理ではありません。
ここからが本当の倫理です。
あらすじ
とある高校のとある授業、教室には様々な生徒が集まっていた。
ギャルや、ガリ勉、不登校気味の生徒、授業中ずっと寝てるやつ、などなど。
学力を問われるこのご時世、ここでは命についての授業が行われていた…
登場人物
高柳先生
(出典:ここは今から倫理です。1巻)
私は倫理の先生と聞けば、眉間にシワを寄せた頑固な人というイメージが浮かびます。
まさにそれを絵に描いたような人物がこの高柳先生。
無表情で理屈っぽい。
第一印象では怖いイメージを与えるタイプですね。
しかし、
実は彼の存在こそがこの作品の最大の魅力です。
普段は無表情ですが、本当は生徒が危機に直面した時には全力で守ってくれる熱い心の持ち主なのです。
(画像引用:http://lovelycielbleu.blog.fc2.com/blog-entry-158.html)
たまにやたらポジティブを押し付けてくる人がいますよね?
「悩んでたってしょうがないよ!」
「もっと明るく!」
など。
もちろん中にはそれに救われたという方もいるでしょう。
でも私みたいな捻くれ者はその言葉を聞いた時、
「お前に何が分かる!!」
と叫びたくなるんです。
先生の対応は違います。
彼は「悩む人間は魅力的」だと言ってくれるのです。
一方的な優しさとは違うその言葉には、この人なら自分を分かってくれるかもと感じられる深みがあります。
皆さんは学生の時に1人で思い悩んだ経験がありませんか?
「あの時、こんな先生がいてくれたら良かったのにな…」と思わされる、そんな魅力のある人物です。
心
この漫画が非常に上手いのは人の心理描写。
物語は生徒一人一人が先生と関わり、彼らが順番に紹介されていく形で進んでいきます。
色んな生徒が色んな葛藤を抱えており、その原因や思考にまで個性があります。
例えば一巻の第二話に登場する、自殺を図ろうとする女子生徒。
普段明るかった性格から一転、たった1日のある出来事で全てが変わってしまいます。
何があったかはほとんど口にしないのですが、それこそがSOS信号のように感じられ、かえって緊張感を生みます。
校舎の屋上に立つ彼女に、
何という言葉をかければ思いとどまらせることが出来るのか。
気づけば読んでる私が必死に考えていました。
こんな気持ちを味わえる作品はなかなかありません。
そしてなにより、生徒達の中には
自分と同じ悩みを抱えた人が必ずいます。
こんなベタな宣伝文句はあまり書きたくないのですが、この作品に関しては別です。
心理描写がずば抜けて上手いので、そこらのまがい物とはわけが違います。
ちなみに私が一番共感できたのは谷口恭一という生徒。
彼の将来の夢は教師になる事です。
しかし、それは憧れているからではありません。
不満だったからです。
彼は小中学校ではいじめられっ子でした。
ただ、正義感の強い性格だった彼は、ある日ヤンチャな同級生と喧嘩になった時、いっさい手を出しませんでした。
それが間違っていると分かっていたからです。
しかし、あとで教師に呼び出され、
「お前の言い方も悪かったんじゃないのか?」
と説教を受けることになります。
なぜ正しいはずの自分が怒られなくてはならないのか。
彼はショックを受けます。
この事から、自分こそが「正しい生徒を救える」理想の教師になるのだと決心したのでした。
実はこれ、私も全く同じ経験をしたんです。
自分の正義感を信じて行動したはずなのに、教師に散々怒られ、おまけに喧嘩相手に向かって頭を下げさせられ、子どもながらプライドはズタボロでした。
無理やり謝らさせられた後、
「分かれば良いんだ。」
と笑顔で言われたのを覚えてます。
そんなこともあってか、私は教師というものが大嫌いでした。
しかし、それを口にすることはありませんでした。
とくにグレるでもなく、トボトボ生きてた私を彼らは「真面目な生徒」くらいに思ってたかもしれませんが。
私は心の中の本当の気持ちを隠したくてトボトボ歩くようなガキンチョでした。
作中、谷口恭一は先生と正義について話し合います。
彼の「正しい生徒を救える教師」という理想を聞いた先生は一切それを否定しません。
ただ、一つ話をします。
先生は実は愛煙家です。
喫煙可能な部屋でタバコを吸っていたところを嫌煙家の先生に怒られ、部屋を追い出された事がありました。
この話をした上で、ある質問をします。
「私は不当に部屋を追い出されたいじめられっ子ですか、それとも強制的に毒を吸わせたいじめっ子ですか?
もし後者ならば、あなたは私を救ってはくれないのですか?」
この質問に答えられず、口籠ってしまう谷口恭一。
先生は「善悪は視点によって入れ替わる曖昧なものだ」と言います。
そして彼に
「いじめっ子もいじめられっ子も、両方救える教師になって欲しい。」
と伝えるのでした。
私はこの場面を読んだ時、ページを開いたまましばらくジッと眺めてしまいました。
決して褒められたわけでも、慰められたわけでもないのに、すごく先生の言葉が響いたんです。
私は気づきました。
当時教師に怒られて悔しかったのは、決して肯定されたかったからではなく、ただ聞いてほしかったからだと。
自分の気持ちに気づいてほしかったんです。
きっとこの先生なら気づいてくれたんだろうなとつくづく思いました。
終わりに
きっとこの記事を読んでくださっている方の中にも、大きな悩みを抱えている人がいるかもしれません。
偉そうな事は言えませんが、自分に厳しくできるのはあなたが優しい証拠だと思います。
きっとストレスもたまるでしょう。
そんなあなたにこの漫画を紹介できて良かったです。
『ここは今から倫理です。』ぜひ読んでみてください。
それでは!
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