"オレの頭の中の声" "All of these voices inside my head" "映画" "漫画" "アメコミ" "The First Man"

ジョーカー史上最高のジョーク【バットマン: キリングジョーク】【エンディング解説】漫画紹介


 

以前日本でも大ヒットした映画、

『ジョーカー』

はメッセージ性が強く、多くの人に評価されました。

賞も山のように受賞したそうですね〜。

当ブログでも実は以前記事にしているので、良ければご覧下さい(^^)

↓コチラ

quotesofthefirstman.hatenablog.com

 

今回はその映画の主役、ジョーカーを扱った

アメリカンコミック史上の傑作

f:id:TheFirstMan:20200703165352p:plain

(出典:バットマン キリングジョーク)

バットマン:キリングジョーク

を紹介します。

 

 

あらすじ

ジョーカーとの殺し合いの因縁を断ち切りたいバットマンは平和的な和解を望むが、ジョーカーはそれと裏腹に、史上最も残酷な犯罪に取り組もうとしていた。

たった一つ、「不幸な一日」さえあれば人は変わってしまう。

それを証明すべく行動するジョーカー。

その過程と、本人すらも忘れてしまったジョーカー誕生の過去とが融合しスタイリッシュかつ斬新に物語は進んでゆく…

 

キャラクター

 

バットマン

f:id:TheFirstMan:20200703170054j:plain

(出典:バットマン キリングジョーク)

ダークナイト(闇の騎士)とかいうちょっと中二くさいあだ名でお馴染みのヒーロー。

中身は特殊能力のない普通の人間です。

どんな悪党でも殺さない事をモットーに、知恵と勇気のみで戦う様は正直死ぬほどカッコいい。

つねに無表情で笑わない。

 

ジョーカー

f:id:TheFirstMan:20200703170344j:plain

(出典:バットマン キリングジョーク)

アメコミを代表する悪役。バットマンに何かと面倒くさい絡み方をして困らせる。

自身の行動は全てジョークだといい、人を殺めても何とも思わない。

つねに笑顔

 

作者

作者は『ウォッチメン』や『フロム・ヘル』など名作ばかり作っている

アラン・ムーア

最大の功績は、単なるコミックに子ども泣かせの哲学的なメッセージを込めまくり、大人でも楽しめるコミックを作り出してしまったこと。

あと絵の構図にも凝っており、一コマが芸術的で非常にカッコいい。

f:id:TheFirstMan:20200703171423j:plain

(出典:バットマン キリングジョーク)


f:id:TheFirstMan:20200703171043j:plain

(出典:バットマン キリングジョーク)

(作画は別作家だが構図は指示しているらしい。)

他の作品もオススメです!

 

不幸な一日

ジョーカーの主張を端的にまとめると、

「どんな人であっても、不幸な日が一日あるだけで狂人へと変わる。」といったもの。

これはジョーカー本人が経験したことでもあります。

妻と死別し、自らも化学薬品が混ざった液体に落ちて顔を漂白されてしまう。

こんな日が一日あれば誰もが自分のようになると証明すべく、ジョーカーはとある男を拉致します。

そしてその男の一人娘を拳銃で撃ち抜き下半身不全にした後、全裸にして暴行。

さらにはそれを写真に撮って男に無理やり見せるといった、狂気の沙汰ではない残酷な行為に及びます。

不幸な一日を味わった男がどうなったのかはぜひ実際に読んで確かめてみてください。

 

バットマンはその主張に対し、「人間はそんな事で狂うほど弱くない。」と否定します。

しかし、本来彼に否定する事は出来ないはずです。

何故なら、

 

 

 

 

 

 

 

 

バットマンこそが不幸な一日で狂った男だからです。

彼がヒーロー活動を始めたのは、子どもの頃に両親を犯罪者の手によって失ったから。

コウモリのコスプレをして、犯罪者を追いかける彼は間違いなく狂人でしょう。

 

最高のジョーク

物語終盤でのジョーカーのセリフをまとめたのがこちらです。(分かりやすいよう、順序を変えてます。)

「世界が、とてつもなく悪趣味なブラックジョークだと気づいた瞬間、頭の芯までイカれたんだ!認めるぜ!」

レーダーに映ったカモの群れのお陰で、何度、第三次世界大戦が起こりかけた事か… 答えをご存知かな?

それから、第二次大戦のキッカケは? ドイツが第一次大戦戦勝国に引き渡す電信柱の数でモメたせいだったんだと!

電信柱たぜ、電信柱!

何もかもジョークなんだよ…」

「かのように狂った世の中で理性を保つなんて、まさに狂気の沙汰でしょうに!」

初めて私がこれを読んだ時はかなりの衝撃を受け、つい

「確かに…?」

と呟いてしまいました。

ですが、

のちに調べたところ、電柱が原因とか、レーダーがどうといった情報は見つけられませんでした。

すべて彼のジョークだったのです。

 

ひねくれ者の私ですら、(いや、だからこそなのかも、)一瞬でもジョーカーが正しいと思ってしまった、

最高のジョークでした。

 

 

キリングジョーク

(ネタバレ注意)

ジョーカーが最後に放ったジョーク、オチが分かりにくかったという方の為に解説しようと思います。

ここから先はネタバレ注意です。

読みたくない方はバーッとピンク色の『おわりに』という文字が見えるまで飛ばしてください。(無理やりで申し訳ないです…)

 

 

 

最後のシーン

ジョーカーを追い詰めたバットマンは殺し合いはやめて、助けになりたいと提案します。

f:id:TheFirstMan:20200703023756j:image

(出典:バットマン キリングジョーク)

しかし、それを拒否するジョーカー。

そしてあるジョークを話し出します。

f:id:TheFirstMan:20200703023819j:image

(出典:バットマン キリングジョーク)

『精神病院にいる二人の男が脱走を図る。

一人は屋上から別のビルに飛び移ることに成功したが、もう一人は怖くて飛べなかった。

すると飛び移った男が「ライトで光の道を作ってやるからその上を渡ってこい。」と提案する。

もう一人は怒ってこう怒鳴った。「てめぇ、オレがイカれてるとでも思ってんのか!どうせ途中でスイッチを切るつもりだろ!」』

自分のジョークについ吹き出すジョーカー、その顔には雨か涙か、水滴が頬を伝います。

f:id:TheFirstMan:20200703023834j:image

(出典:バットマン キリングジョーク)

それを見たバットマンもつられて笑い出します。

f:id:TheFirstMan:20200703023846j:image

(出典:バットマン キリングジョーク)

f:id:TheFirstMan:20200703023951j:image

(出典:バットマン キリングジョーク)

ここで物語は終わりです。

 

【ジョークの解説】

ライトの光を渡れと提案するということは、飛び移った男は精神的にイカれていたのでしょう。

問題はもう一人の男です。

まるで自分はイカれてないかのように振舞っていますが、光を渡れる前提で会話しています。

本来は、「渡れるわけないだろ!」とツッコむのが普通です。

よって救う側も救われる側も、二人とも狂っていたというのがオチでした。

この関係性は物語上のバットマンとジョーカーに似ています。

救いの手を差し伸べたバットマンですが彼は自覚のない狂人です。

狂った存在であるバットマンが、同じく狂った存在であるジョーカーを助けられるはずがない。

この事をジョークを通して示したのでしょう。

 

ちなみにこのシーンで、

バットマンは初めてジョーカーが笑うのを止め、

ジョーカーは初めてバットマンを笑わせます。

お互いを殺し合った瞬間と言えるでしょう。

 

 

そして最後のシーンは解釈が大きく別れます。

f:id:TheFirstMan:20200703023951j:image

(出典:バットマン キリングジョーク)

一見バットマンがジョーカーの肩に手を置いて笑ってるように見えますが、

見方によっては首を絞めているようにも見えます。

バットマンの不殺生主義というポリシーを殺したのはジョーカーの最後のジョークであり、本人もそれによって殺される。

これこそがタイトルにもなった、

キリングジョーク(殺しのジョーク)

だったのかも知れません。

真相は読者の想像に委ねられます。

 

 

 

おわりに

いかがでしたか?

今回は当ブログでは珍しいアメコミの紹介でした。

もし今作に興味を持ってくれた方はぜひ読んでみてください。

 

 

 

当ブログでは普段、漫画映画のレビューを書いています!

過去の記事などもぜひ読んでみてください^_^

コメントもお待ちしています!

 

それでは!

 

↓過去の記事はこちら↓

quotesofthefirstman.hatenablog.com

quotesofthefirstman.hatenablog.com

quotesofthefirstman.hatenablog.com